2016年03月08日

なでしこジャパン、リオ五輪出場を逃す。

この5年間の輝きは消えない。ゆっくりと再建すればいい。

リオデジャネイロオリンピックのアジア予選を闘ったなでしこジャパンは、第4戦を前に敗退が確定するという、思いもかけない結果を迎えました。
初戦オーストラリアに1-3で完敗。第2戦、韓国をいったんはリードしながら追いつかれ引き分け。そして第3戦中国に1-2で敗れたところで予選突破は絶望となりました。
引かれ者の小唄といわれるかもしれませんが、ボランチの宇津木がケガで出場できなかったことが分かれ目となりました。宮間をボランチで起用したがうまくいかず(オーストラリア戦)、その後FWみたいに使ったり(韓国戦)、定位置の左MFに戻したり(中国戦)、佐々木監督はあらゆることを試していました。しかし、澤なきあとのなでしこジャパンの支柱は宮間であり、その宮間のポジションを毎試合変えざるを得ないところに、今大会のなでしこジャパンの苦しみが現われています。
もがいて、苦しんで結果を出してきたのがなでしこジャパンですが、今回ばかりは逆の結果となりました。

2011年のW杯優勝の快挙以来5年、世界の女子サッカーを牽引する役割を果たしてきたなでしこジャパンの歴史に、一回大きな休止符がうたれることになりました。
残念ではありますが、チームスポーツの世界ではありがちなことです。主力選手を固定化して成果をあげた強豪チームは、往々にして世代交代が遅れます。
今回、完膚なきまでに敗れたことで、監督の交代、若手選手の起用など、次の2019年W杯に向けた新しいスタートが切られるでしょう。

この5年間、日本に感動を与えてきたなでしこジャパンの輝きは消えません。
佐々木則夫監督と主力選手のみなさん、ほんとうにお疲れさまでした。
みなさんの雄姿は、呆け老人の脳裏にもくっきりと刻まれています。
001.jpg 002.jpg
2011年東日本大震災でうちひしがれた日本に、勇気と感動を与えたなでしこジャパンに、乾杯。
posted by 三鷹天狗 at 10:20| Comment(0) | なでしこジャパン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年12月29日

澤穂希の現役最後の試合を堪能する

自分の得点で優勝。さすがに稀有な選手です。

12月27日、皇后杯全日本女子選手権決勝が行われ、INAC神戸レオネッサがアルビレックス新潟レディースに1−0で勝ち優勝した。
神戸の得点は、後半33分、川澄があげた右コーナーキックに澤穂希が合わせて打ちぬいたみごとなヘディングシュートだった。
これまで皇后杯の最多入場者数は6000人だったが、澤穂希の引退試合になったこともあり、等々力陸上競技場(川崎市中原区)には、2万379人が入場したという。

それにしても最後に自分自身が得点して試合を決めるとは、やはり並みのアスリートではありません。確かに神戸のコーナーキックはすべて澤に得点させようとしていましたが、新潟もそれは百も承知で、ことごとくブロックしていました。得点を決めたシーンでもガードが前後についていて、前のガードのアタマを少し超えたボールに澤が合わせている。すごいもんですね。
上尾野辺を中心とする新潟のたたかいぶりもすばらしいものでした。2013年末の決勝でもPK戦にもつれこむ好試合を演じていました。準決勝で日テレベレーザを破った試合も良かったし、いいチームです。

2011年ドイツで行われたW杯の、予選リーグ対ニュージーランド戦ではじめてなでしこジャパンの試合を実況放送でみてからこれまで、その闘いぶりに魅せられてきました。
W杯決勝のアメリカ戦で澤穂希が決めたコーナーキックからの同点弾は、この4年間、わたしにとってスポーツシーンの最高峰でした。
今年、ラグビーのW杯で、桜のマーク入りのジャージを着た男たちが、同点ではなく勝利を求めて挑んだ南ア戦最後の10分間のチャレンジの映像が出現しました。ま、これは澤の同点弾と並びましたね。なんど見ても感動する、偉大なトライです。スポーツには、こういう魂をふるわせるシーンが何年に一度かあります。

澤をめぐるさまざまな映像や本をこの4年間見てきました。
2004年4月24日のアテネ五輪行きを懸けたアジア予選の準決勝、伝説の北朝鮮戦については、長い間なでしこジャパンをフォローしてきたスポーツジャーナリスト江橋よしのりが感動的な追憶を語っています。http://sports.yahoo.co.jp/column/detail/201512180001-spnavi
「苦しい時には私の背中を見て」という名言、自分は感覚派だから指導者には向かないという自己認識。最前線で体を張ってたたかうのが自分の仕事というキッパリと割り切った態度は、本当にすばらしかった。
これからは、世界に知られた名選手として、サッカー界の重要な役割を担ってほしいものです。日本に女子W杯を招致したときの大会委員長なんて、ぜひやってほしい。
2011年東日本大震災でうちひしがれた日本に、かけがえのない勇気と感動を与えたなでしこジャパンの闘い。その先頭にたっていた澤選手の雄姿は、いつまでもわたしたちに記憶されます。

見ておいて良かったものの、三つめができました。

12月19日、準々決勝の澤選手を西が丘に見にいって、良かったなあ。
2代目貴乃花が引退する前に東京の本場所をみることができたこと、古今亭志ん朝の晩年の高座を三鷹でみることができたことに並ぶ、三つめの体験です。

澤穂希選手に、優勝おめでとう、長い間の活躍に感謝して、乾杯。
澤最終試合.jpg
続きを読む
posted by 三鷹天狗 at 09:26| Comment(0) | なでしこジャパン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2015年12月21日

澤穂希の雄姿を見に、西が丘へ

一度はなでしこリーグの有料試合を見にいかないと義理がわるいとおもっていたが、はたせないうちに年末となってしまった。
そうしたら、澤穂希選手が今季限りで引退するというニュースが流れた。
それはまずい。

ということで行ってきました味の素フィールド西が丘(北区)。第37回皇后杯全日本女子サッカー選手権大会準々決勝。11月17日(土)11:00試合開始。ASエルフェン埼玉vs.INAC神戸。
ふだんは1000人くらいの観客らしいが、この日は違いました。都営三田線本蓮沼に降りたら、会場に向かう人の流れができています。入場したらメインスタンドもバックスタンドもほぼ満員。
さすが澤穂希。
その雄姿を自分の目に焼きつけておきたいと思うのは、私ばかりではありませんでした。入場者数は3666人と発表されました(第2試合の日テレ・ベレーザvs.伊賀フットボールクラブくノ一の終わりごろには、4000人を超えたとアナウンスがありました)。

試合は終始ボールを支配したINAC神戸が 2:0で勝利しました。前半に近賀ゆかり・高瀬愛実の2得点、後半も得点こそありませんでしたが、試合の主導権を握っていました。
お目当ての澤選手を初めてナマでみて、感じたこといくつか。
@澤は大きい。
国際試合ばかりみていると、日本選手はみな小さい。いちども澤選手が大きいと感じたことはありません。ところが日本人選手の中にいると、身長165センチというのは大柄です。肉体的な接触では、まず負けるということがない。なるほど、澤選手は大きくて強靭な選手だったのか。
A澤はボールに絡む。
わたしが澤選手をずっと見ていたせいかもしれませんが、とにかくよくボールに絡みます。相手のボールを奪う、ヘディングで負けない、攻撃の起点になる、ゴール前に駆け込む…。さすがレジェンド、さすがスーパースター、動きのレベルが一段違います。
B澤は試合中でも「澤さん!」と呼ばれている。
メインスタンドの前から3列目でみていると、選手同士が掛け合っている声が意外によく聞こえる。鮫島彩が「リカ!(増矢理花)」と呼ぶ声とか、クロスを上げようとする選手に「ニア!」と指示する他の選手の声とか。とうぜん選手同士は呼び捨てで呼び合っているわけですが、なんと澤のことだけは「サワさん!」とサン付けなのがおかしかった。確かになあ。若かったころの澤は「ホマ!」とか呼ばれていたみたいですが、これだけ年齢差が開いた偉大な選手を呼び捨てにするのは、後輩選手たちには難しいのかもしれない。

はじめてナマでみたなでしこの試合。目の前で見る選手たちのテクニックの高さはすばらしいものでした。それと、反則しないフェアな試合ぶり。準々決勝2試合で一枚もイエローカードがでない。きたないとか危険とか感じるプレーは皆無。

もうひとつ痛感したのは、冬のサッカー観戦は寒いということ。できるだけ厚着し、ホカロンも装着し、万全と思って臨んだのですが、ひざっ小僧が冷たい!冷たい風に吹きさらされて、痛いほど冷たい。
とくにメインスタンド側は、太陽が背中側、そのうちひさしの陰にはいってしまう最悪状態。2試合目でバックスタンド側に避難して、正面からお日さまを浴びているうちにやっと持ち直しました。ひざが冷たい問題に解決策を見いださないと、冬のサッカー場には行けません。来年以降は、観戦は暖かい時期に限定します。

写真は遠すぎてうまく映りませんでした。唯一、表情までわかる写真はベレーザの阪口瑞穂選手でした。
第2試合の日テレ・ベレーザvs.伊賀フットボールクラブくノ一は4:1でベレーザの勝ち。こちらの試合では阪口の存在感が光っていました。INAC神戸とベレーザの2チームがアタマひとつ抜けているようですから、23日の準決勝もこの2チームが勝って、27日の決勝が澤選手の最後の試合になる可能性がたかいでしょう。さあ、観戦をどうするか。
澤20151219121730.jpg 澤20151219124954.jpg 澤20151219132431.jpg
  澤選手                     試合終了後の挨拶           阪口選手(左)

帰りは十条まで歩き、居酒屋の名店・斎藤酒場で、澤選手をたたえて「たる酒」を何杯もおかわりしました。
隣り合わせた老夫婦が、戦前に十条銀座で遊んだものですと思い出話をする。貴重なお話をたくさん伺いました。これも居酒屋文化の効用です。酒が旨い。
澤20151219161928.jpg 澤.jpg
澤穂希選手の、卓抜したプレーに、乾杯。
日本女子サッカーの未来に、乾杯。
posted by 三鷹天狗 at 08:21| Comment(0) | なでしこジャパン | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする