2017年12月08日

井山裕太、世界最強の中国・柯潔を破りLG杯棋王戦決勝進出

高尾紳路(前名人)の観戦記に、強烈なことばが…

井山裕太・七冠(28)は11月15日「第22回LG杯棋王戦」準決勝で、現在世界最強といわれる中国の柯潔(かけつ)九段(20)を倒し、来年2月の決勝戦で中国の謝爾豪(しゃじごう)五段(19)と対戦することになった。
快挙です。ぜひ、決勝でも勝ってほしい。
井山写真.pngアタマを抱える柯潔(左)勝利した井山(右)
もはや日本は、世界戦の決勝まで勝ち進むこと自体が「事件」として報じられるほど中国・韓国に差をつけられています。
井山に「再七冠」をゆるした高尾紳路前名人(41)は「たかお日記」という、とてもいいブログをやっています。とうぜん井山・柯潔戦の観戦記もポイント解説付きでとりあげられており、囲碁ファン必見ですが、観戦記の最後に、つぎのようなことばがあります。
「現状、世界トップクラスの棋士は韓国で5人ほど、中国は20人はいます。日本は現状、井山七冠だけなので、優勝するのは、かなり大変。」
囲碁観戦記者とかアマチュアのことばではなく、つい先日井山と名人戦7番勝負を争った高尾のことばですから、迫力がちがいます。
そうか、そこまでいうか。
世界のトップクラスは韓国5人、中国20人で、日本は井山一人しか入らないのか。

しかも柯潔20歳、謝爾豪19歳。いわば少年のような若さです。
高尾たち「平成四天王」といわれた棋士たちより二回りちかく若い。老囲碁ファンとしては、高尾や山下敬吾(39)が、シブい技で柯潔に碁の奥深さを教えてあげるの図、なんてのを夢想したりしますが、そゆことはもうありえないわけだ。
日本でも最近、一力遼(20)、芝野虎丸(18)という若手がトッププロの仲間入りを果たしています。一力や芝野が、柯潔や謝爾豪と互角にたたかい、ヨーロッパやアメリカ大陸からも彗星のごとく天才が現われる、そんな日がきてほしいなあ。

囲碁は、世界をつなぐ「手談」

囲碁はシンプルなゲームだからこそ、やすやすと国境や言葉・文化のカベを超えられる。現に呆け天は日本棋院幽玄の間で、韓国・中国・台湾の人たちとも、気軽にネット対局を楽しんでいます。
囲碁の別名を「手談」といい、勝敗を争うだけではなく、対局相手との、着手を通じた対話を楽しむゲームだと、むかしから言われています。性別、年齢、人種、国籍…そういうものを超えて世界中の人と対話を楽しむ。日本語しかできない老人と世界をつないでくれるゲームです。
世界に囲碁愛好家が何人いるかは知りませんが、その頂点「世界最強のひとり」に、井山裕太も割り込んでくれたのは、やはりうれしい。

井山裕太七冠のLG杯棋王戦決勝進出に、乾杯。
posted by 三鷹天狗 at 10:45| Comment(0) | 囲碁 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年11月18日

囲碁旅行、谷川岳ロープウェイで絶景を満喫

秋の温泉囲碁旅行で群馬県・水上温泉に参上した高齢碁キチ8人(11月16日〜18日)。
水上ホテル聚楽に投宿し、寝る間も惜しんでの囲碁三昧です。趣向を凝らした清潔な大浴場、リーズナブルな料金、大変結構なホテルです。夕食・朝食ともにバイキング形式というのが、好み多様なわがまま老人旅行にはピッタリでした。
二日目は気分一新して谷川岳ロープウェイで天神平(1319m)へ。さらにリフトに乗って、目もくらむような高さの天神峠(1502m)に登って、白雪を冠した谷川岳(1977m)の威容を拝しました。
すごい山です。昨日ふった新雪で神々しいまでに輝いている。
真冬にこういう山に登る人たちの気がしれないというところですが、8人中2人が登頂経験者です。
昔はJR土合駅から延々と歩いて登ったわけですが、最近ではこの天神峠までロープウェイとリフトで来て、天神尾根伝いに頂上まで約3.5kmを歩くのが人気の由。それは、冬でなければ登れそうな気がします。
快晴かつ無風に恵まれ、360度の大パノラマで遠く富士山まで見える。この時期には午前中2〜3時間晴れていても、午後にはガスる(霧がでる)のが普通で、午後までこんなに無風・快晴というのはめったにないほどの幸運だそうです。
温泉、囲碁、酒、谷川岳、極上の2泊3日の旅に、乾杯。
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posted by 三鷹天狗 at 03:43| Comment(0) | 囲碁 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年09月28日

祝!芝野虎丸・新竜星誕生

「優勝の味は?」と問われ「味は…しないです」と答える。

9月25日(月)夜、囲碁将棋チャンネルで、第26期竜星戦の決勝戦が放映されました。芝野虎丸三段(17)が余正麒七段(22)を破り優勝。17歳8ヵ月の優勝は昨年優勝の一力遼九段の19歳1ヵ月を更新して竜星戦最年少記録。また、プロ入り2年11か月でのタイトル獲得は史上最速。日本棋院の規定により、いきなり4段飛びで7段に昇段しました。
テレビ放映される早碁対局は、放送されるまで結果は伏せるというルールなのですが、この対局に限り7月31日に対戦したその日に、結果がマスコミで報道されました。8月以降の芝野の対局が7段で行われるので、いわば「バレバレ」状態になるからの措置です。
結果は分かっていますが、棋譜はまだ公表されていないので、いつもどおりテレビの前に碁盤をおき、着手を並べながら鑑賞しました。
解説は高尾紳路名人、聞き手は吉原由香里六段という豪華版です。
ふたりが、芝野と余の着手にたびたび「おォッ!」という驚きの声を発するのが可笑しかった。つまり、高尾・吉原の世代と、芝野・余世代では、着手感覚が大きく変わっているということです。ここはこう打つところ、こんな手は田舎に帰れと言われる、といった、高尾・吉原世代の「常識」を、芝野・余は平気で無視する。
盤面は序盤からスリリングな攻め合いになり、どちらがつぶれてもおかしくないギリギリの攻防。並べていて楽しくてしょうがない。そうだよな、これがプロの対局だよな。アマチュアの想像もつかない着手が連続し、ハラハラして並べる。だからこそプロなわけです。

乱戦を制して、芝野の中押し勝ちとなりました。
すばらしい。囲碁界に、井山裕太や一力遼につづく新しいスターが誕生した。万歳!

優勝杯授与などのセレモニーにつづいて芝野へのインタビューが行われましたが、これが傑作。
まず、なにを言っているのか聞きとれない。口の中でなにかもごもご言っているのですが、うまく聞きとれない。優勝した喜びは、はにかんだ笑顔にあふれている。しかし、定番のセリフ(「幸運だった」とか、「応援してくれる人への感謝」とか)や、ましてシャレたことをいったりするのは、まるで苦手なようです。いまどきレアものの、オタク度の高さです。
インタビューアーの吉原が「優勝の味はいかがですか」ときいたら「味は…」と口ごもり「…しないです」と答えた場面がハイライトでした。吉原が「アハハ」と笑いだし「そうですよねえ。味はしないですよね」と笑いが止まらない。
20年くらいまえに吉原(当時梅沢)がNHK杯の司会をしていて、棋士は忘れたがベテラン棋士の所作かことばのなにかがツボにきたようで笑いが止まらなくなったことがあった。ゲラ子の素質は昔からあったが、いまやベテランの風格ただようお母さん棋士です。その吉原を笑いころげさせる…芝野虎丸に座布団三枚。
将棋の藤井聡太(14)が「勝てたのは僥倖です」「一喜一憂してもしょうがない」など、日本語能力の高さを発揮して世間を驚かせていることとの、落差が際立ちます。
しかし、これでいいのです。ありえないほど個性的、というのは、プロとしての強力な武器です。
いいぞ、虎丸!世界の強豪とわたりあえる棋士になってくれ!

久々に吉原由香里の司会を楽しむ

囲碁老人の永遠のアイドル吉原由香里六段も、いまや堂々の44歳です。女優にまけないほどの美貌は健在ですが、モニターをみるときに目を細めるところなど、年齢を感じさせます。
竜星戦の司会は、高梨聖子アマ(山下敬吾夫人)が務めることが多く、他に多くの女流棋士も出演しますが主に若手で、吉原の司会という場面は決勝だけです。高齢囲碁ファンへのサービスで、たいへん結構でした。
高尾は現名人ですが、芝野・余に対して上から目線の解説はいっさいなし。そうか、そううつのか、という若い棋士の着手への率直な反応が好ましい。自身のブログ「たかお日記」に、決勝戦の解説をしたこと、竜星戦の打ち上げで芝野に「好きな食べ物はなに」と話しかけたら、長考の末に「わかりません」というこたえが返ってきたことを、ユーモアたっぷりに書いています。

囲碁界の若きスター、新竜星誕生に、乾杯。
芝野虎丸.png芝野虎丸竜星位。写真はWebサイトより。
2017年07月11日「徹底解剖 藤井聡太」http://boketen.seesaa.net/article/451703471.html
posted by 三鷹天狗 at 08:18| Comment(0) | 囲碁 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする