2018年01月09日

NHKスペシャル『人体〜神秘の巨大ネットワーク』

「薬飲むな」の本当の意味は、腎臓だったのか

山中伸弥教授(ノーベル生理学・医学賞)とタモリが司会進行をつとめるNHKスペシャル『人体〜神秘の巨大ネットワーク』が、とんでもなく面白い。
全8回放送予定で、プロローグに続いて、第1集「腎臓」第2集「脂肪と筋肉」第3集「骨」が放送された。これからも、腸と免疫、脳、生命誕生と続いていく。
私には、すべてが初耳といってよい内容であり、映像的にはCGをふんだんに駆使して素人を飽きさせない。むかし『ミクロの決死圏』(1966年)という傑作SF映画があったことを思い出す。

驚いたことの一つめは、「人体観」が昔とは変わったこと。
いま医学界では、「脳が司令塔で、他の臓器がこれに従う」という人体観がひっくりかえされ、「体中の臓器が互いに直接情報をやりとりすることで、人体は成り立っている」という「巨大な情報ネットワークとしての人体」という考え方に変わったという。いわゆるパラダイムシフト(価値観の転換)がおきた。すでにどこかで聞いてたような気もするが、この番組で初めてリアルに実感できました。
第1集の「腎臓」。膨大な量の血液が腎臓を通って濾過される。濾過された原尿は、他の臓器からの「疲れた」とか「○○が足りない」といった情報に反応して、再利用する成分と廃棄する成分に瞬時に振り分けられ、血流にのせて配送される。尿として排泄されるのは、原尿の1%にすぎず、他はすべて再利用される。腎臓が異常を起こすと他の臓器にも連鎖し、多臓器不全をひきおこす…。
第2集では、脂肪や筋肉から出る物質が「おなか一杯」とか「〇〇補給して」というシグナルになる。
第3集では、骨は刺激(衝撃)を受けないと「老化」をはじめる。
どの臓器が上とか下ではなく、すべてが精妙な有機体としてネットワークを構成している。その不思議絶妙なメカニズムが、いっときも休むことなく働いてくれているから、70年も生きてきた。
おそれ入谷の鬼子母神。生命の神秘に感謝するしかありません。

二つ目に印象に残ったのは、腎臓が不調になったら、薬を休め。
イギリスのある病院では、全入院患者の腎臓の数値をモニタリングし、問題があれば直ちにあることを行なって数値を改善させる。あることとは、いったん薬をやめることだ。
なるほど。カモカのおっちゃんが言う「薬飲むな」は、そういう意味だったか。
わたしは、ずいぶん前に読んだ田辺聖子のエッセイで、夫君である町医者・川野純夫(=カモカのおっちゃん)が、高齢化した自分の常連客たちに言ったという「走るな、体に負荷かけるな、薬飲むな」を、健康法の座右の銘としてきました。
今回、精密微妙な臓器である腎臓は、化学薬品からのダメージを受けやすく、それが多臓器不全の引き金になるという映像を見て、深く納得しました。
もちろん、薬はいっさい飲まないなどということではありません。必要な場面では、医師の処方にしたがって服用します。しかし、血圧の薬、尿酸値を下げる薬などを飲むというのはしない。食事と運動で改善できる範囲のことしかしない。
カモカのおっちゃん、あなたの言ってたことのホントの意味が、いま分かりました。

三つめは、骨の老化を防ぐには、骨に「衝撃」を与える必要があるということ。
走ったり力仕事をすると、骨が衝撃を受ける。骨は「ヤベッ」というので、せっせ補強工事をはじめる。そもそも骨は、経年劣化を防ぐために生涯工事中、2〜3年で、全部の骨(約200本)が入れ替わるのだという。衝撃を与えないと、ま、これくらいでいっかと手抜きする。人間社会とおんなじです。歩くだけでも効果があるというので、これからもせっせと散歩して、骨に衝撃を与えることにします。

独裁者(脳)の指令ではなく、全臓器の有機的なネットワークとして維持される人体。これは、人間が長い年月をかけて民主主義社会にたどりついたことと、よく似ているなあ。刺激(衝撃)がないとすぐ手抜き工事をはじめるところなんかもそっくりです。それなら、なんだかんだあっても「生理の深いところで人間は民主制を択ぶようにできている」と、安心していればいいか。

さすがNHK、これからもたのむよ

それにしても、これは知恵とカネがかかってると、素人にもわかる映像、取材です。
NHKの受信料をめぐってはいろいろ議論のあるところでしょうが、わたしは納得して払っています。20年くらい前から、民放のバラエティ番組、ドラマ、CMの音と映像がうるさくて、生理的に耐えられなくなってしまった。見るのはほぼNHK(含むBS)と囲碁将棋チャンネルだけです。これでカネを払わないのは変だと思うので、払っている。
今回のような番組を見ると「さすがNHK、これからもたのむよ!」といいたくなります。ほかにも、BSでいい番組たくさん作ってるしね。

人体=神秘のネットワークが、今日も働いてくれていることに、感謝の乾杯。
関連:NHKスペシャル「人体」http://www.nhk.or.jp/kenko/jintai/
2016年06月04日、<痛風3>薬に頼らず、玉ねぎを友としてhttp://boketen.seesaa.net/article/438582559.html
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2018年01月04日

新春の神代植物公園に、和の調べ響く

津軽三味線と琴の演奏。いかにも日本のお正月。

冬には冬の魅力がある神代植物公園。
冬木立の凛とした姿には、人の気を引き締めさせる佇まいがあります。
恒例の新春コンサート、1月2日には小山慶一・慶宗兄弟の「津軽三味線合奏の世界」、3日には岡戸朋子・稲垣美沙の「箏(琴)〜美しい和の調べ」が行われました。
ともに新春を寿ぐのにふさわしい、結構なミニコンサートでした。
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小山兄弟で面白かったのが「津軽三味線の通だと思われる方法教えます」。
津軽三味線には、聞こえないような小さな音で速弾きしながら、徐々に音をあげて盛り上げて行く独特の奏法がある。そのグーっとせり上がる時に拍手をすると「オッ、津軽三味線を知ってるな」と思われる。
実はこれは門付け芸として始まった津軽三味線の歴史に由来する「カネくれ、米クレ、早くクレ」というテクニックです。今ではみなさんがおカネやお米をくれる時代ではないから、代わりに拍手をくれると演奏者は最高にうれしい…。
なるほどなあ、そうだったのか。
この説明が入ったあとの演奏では、グーっと盛り上げていくところで盛大な拍手と笑いが起き、じつに良い雰囲気となりました。

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箏(琴)の合奏では、「さくらさくら」「花車〜元禄花見踊りより」など、聞きなれた調べが正月らしいめでたさを寿ぎます。

子どもたちの絵、いいなあ

植物会館では新春恒例の宝船と、深大寺小学校3年生の絵が展示されています。
よほどすぐれた美術の先生がいるらしく、自由でのびのび、型にはめない絵が、輝いています。こういう絵を描いた日が、私にもあったかなあ、などと数十年前に回想をめぐらしても、なにも思い出せません。この子たちの未来に幸あれ。
新春を寿いで、和の調べと子どもたちの未来に、乾杯。
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2018年01月01日

深大寺初詣、今年のお願いはひとつだけ

朝鮮半島で、戦争が起きませんように

あけましておめでとうございます。
おだやかな陽光に恵まれ、今年も深大寺に初詣に行ってきました。
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毎年、少ないお賽銭で世界平和から家族の健康まで、たくさんの願いごとをしてきました。
今年は、少ないお賽銭は例年通りですが、願いごとは一つだけにしました。
「朝鮮半島で、戦争が起きませんように」

戦争はいつも「まさか起きないだろう」と思っているうちに起きたと、歴史は教えています。
わたしも「朝鮮戦争、まさか起きないだろう」とは思っています。
しかし、現実はあまりにも険しい。
北朝鮮にできあがってしまった異様なカルト国家は、いまや核武装し、韓国・日本にとっての現実的な脅威となっている。
アメリカに登場した社会病質者(ソシオパス)の大統領は、北朝鮮との挑発合戦で遊んでいる。
韓国は危機を目の前にして、政治が揺れている。
日本では自国の憲法を「みっともない憲法」と言い放ち、アメリカの指揮のもとで戦争がしてみたい男が、首相の座に君臨している。
「うそだろ」「冗談だろ」といってるうちに戦火がまきおこる危険は、現にあるといわざるを得ません。
米軍のシュミレーションによれば、第2次朝鮮戦争が勃発すれば「ソウルは二日で陥落しアメリカが北を制圧し終えるまでに200万人近い犠牲者がでる」と予測されているという(文藝春秋11月号、佐藤優「トランプの『北の核容認』に備えよ」より)。
おそろしいことです。
戦争反対の声をあげ、血迷った権力者たちの戦争願望を拒絶する。庶民には、それしかできることはありません。
朝鮮半島で、戦争が起きませんように。
カルト国家の金王朝が、自壊する日がきますように。
アメリカ国民が、社会病質者を大統領の座から追い出す日が来ますように。
戦争したがりの三代目坊ちゃん首相が、高転びに転げ落ちる日が来ますように。

大震災が襲ってくるその日まで、日常の暮らしがいとなまれる。
まさかと思っているうちに戦火が襲ってくるその日まで、日々の暮らしはつづく。
なかよく、機嫌よく、平和に暮らす。
その暮らしを破壊したがる者たちには、抗議の声をあげる。
そういう風に、今年の1年も過ごします。

つたないブログをのぞいてくださるみなさんの、健康を祈って、乾杯。
関連:2017年10月12日、『文藝春秋』11月号、佐藤優「トランプの『北の核容認』に備えよ」
http://boketen.seesaa.net/article/454109454.html


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