2017年04月14日

「早起きは三文の徳」を実体験する

調布を描く中川平一氏の、油絵製作現場に出会う

寒さがやわらいできたので、週2〜3回の早朝散歩もずいぶん気分が楽です。4月12日の朝、まだ6時前だというのに三脚をたてて、とある民家をモデルに絵を描いている御仁がいます。
なんでこんな早朝に、しかも路上で、と好奇心全開で寄っていくと、絵のタッチに見覚えが!
『調布を描いて45年』の絵画集を出している中川平一氏ではないのか。
もちろん、面識もなにもありませんが、思わず近寄って行って「調布の絵を描いている中川さんですか」と声をかけました。
氏はおどろく風でもなく「そうです。私の絵をご存知でしたか」とおだやかに返事をしてくださいました。
「はい、個展を何回か拝見しました。画集も持っています」とこたえ「いま描いているこのお宅の絵は、図書館の深大寺分館に、いま飾られていますね」というと「ああ、あの絵も見ましたか。構図を変えて、桜をいれたものを描いているところです」という。
氏の絵は、ペン画と淡彩・水彩と思い込んでいましたが(『画集2』がそうだったので)、氏がいま描いているのはなんと油絵です。モデルの民家の庭に生えている桜の木の花びらを丹念に、一枚ずつ描き込んでいきます。
やがて「これをさしあげましょう」と、小さなカレンダーをポケットから取り出しました。「わが街調布ー調布を描いて50年ーVol.8 中川平一2017年カレンダー」と表紙に記された、手のひらサイズ(縦10cm横15cm)の小さなカレンダーです。なんとも申し訳ないことでしたが、押し問答はかえってご迷惑かと考え、ありがたく頂戴して退散しました。
中川平一3.jpg 中川平一.jpg
中川氏の絵は、細密な描写に特徴があります。なんでもない調布の民家や風景が、繊細な描線や彩色で芸術に昇華されている。調布駅前の昔の風景では、店の看板の一つ一つが、文字はもちろんサビ具合まで写しとられている。
抽象や省略をしない、ある種の素朴画のような趣きもあります。
調布住民にとっては、ああこれはあの農家だ、あの店だ、あの坂道だという、日常ふだんの暮らしが写しとられているわけですから、親しみはいっそう増します。調布の、宝物のような画家です。
数十年にわたって調布市内の小学校教師として勤められ、仕事の合間をぬってすばらしい作品を描き続けてこられたことに敬服します。

それにしても、こんな早朝から描いておられるのか。現場で彩色まですべてやるのか。ペン画、水彩画以外に、油絵もやるのか。
いろんなことを想いながら、帰宅しました。

「早起きは三文の徳」とはこのこと

ずいぶん前に亡くなった母の口ぐせが「早起きは三文の徳」でした。
故事ことわざ辞典などによれば「朝早く起きれば、健康にも良いし、それだけ仕事や勉強がはかどったりするので得をするということ。『三文』とは、一文銭三枚のことで『ごくわずかな』という意味」などとあります。
週に2〜3回の散歩、コースは三つの中からその日の気まぐれという散歩で、偶然にも敬愛する画家の製作現場に出会い、「中川平一カレンダー」までいただく。いやはや、母の教えは確かです。

亡き母の教えに、乾杯。
調布を描き続ける中川平一氏の画業に、敬意を表して乾杯。
中川平一2.jpg
posted by 三鷹天狗 at 08:14| Comment(0) | 散歩 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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