2017年04月03日

沖縄の友人より(27)3月20日、孫崎享さん講演会「トランプ政権と東アジア」

政府とマスコミにより作られた「中国脅威論」を痛烈に批判。
日本の米軍駐留経費の負担総額年間7000億円は、日米地位協定にすら違反している。

3月20日午後、孫崎享講演会「トランプ政権と東アジア」(主催:東アジア共同体研究所 琉球・沖縄センター、共催:沖縄キリスト教平和研究所)が沖縄キリスト教学院大学のチャペルで開かれ、約200人が参加した。
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孫崎さんの講演はきわめて興味深い内容だった。
米軍駐留費用について、日米地位協定第24条には「日本国に負担をかけないで合衆国が負担することが合意される」と明記されている。つまり負担0%でなければならない。ところが、日本の米軍駐留経費の負担総額は年間7000億円を越える。ドイツ1800億円、韓国1000億円、イタリア400億円に比してとてつもなく大きい。
例えば4000億円あればすべての国公立大学で無償化ができる。小中学校の給食無償化は4700億円で可能だ。米軍に対する「思いやり予算」をやめればできる。
第2次世界大戦の敗戦国であり戦後復興をとげたという点でドイツと日本は似ている。しかし決定的に違うのは米軍との関係における国の主権だ。「ドイツ駐留NATO軍地位補足協定」には、「基地の使用よりドイツ側の利益が上回る場合には返還請求に応じる」との趣旨の条項がある。「ドイツ側の利益」という基準は合意議事録ではいっそう明確に「ドイツの非軍事部門の基本的な必要性、特に国土整備、都市計画、自然保護および農業上、経済上の利益」と表現されている。これを普天間基地に当てはめると、基地がない方が都市計画や経済発展の面ではるかに利益があるので、普天間基地の閉鎖・撤去となり、辺野古・大浦湾の自然保護および経済上の利益からそもそも辺野古新基地は計画されようがないことは明らかだ。
日本が米軍によって守られているという大いなる錯覚。外国軍隊がいないと国の安全が守れないという国が世界のどこにあるのか。田中角栄元首相が中国を訪問し日中共同声明を出した時、国民の多数は日中友好を歓迎した。その後米国および政府とマスコミが世論を操り、中国脅威論に導いてきた。
尖閣は棚上げでいいと中国が言っているのに、わざと緊張激化させているのが日本政府・安倍内閣だ。ASEANは一つの手本になる。宗教、政治体制の違いを乗り越え、戦争をしないことで国の安全を守る。「日米同盟」の固定観念を捨てアジアの平和共存へ乗り出すべきだ。
孫崎さんの講演は、普天間基地の閉鎖・撤去、辺野古新基地建設阻止の、きわめて重要な論拠を指摘している。

沖縄県立博物館が、孫崎講演会を拒否。県民の抗議で謝罪。

講演会は当初、沖縄県立博物館で予定されていた。ところが「政治色が強い」との理由で不許可になったため、会場は急遽沖縄キリスト教学院大学に変更された。これに対し、強い抗議の声がまきおこり、社会問題化した。沖縄県の担当者は「過去に同様の内容で利用しており、不許可にする理由がない」と指摘し、指定管理者の「沖縄美ら島財団」を批判した。結局、「沖縄美ら島財団」が講演会主催団体の東アジア共同体研究所琉球・沖縄センターに出向き、「誤った判断」を謝罪し「今後も利用してほしい」と述べた。
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安倍ブラック政府の意向を「忖度」することは、「森友学園疑惑」にあらわされたように、いまや日本の病となっている。日本各地で、護憲を訴える集会に公的な会場を貸さないという、異常なことが常態化している。沖縄博物館を謝罪に追い込んだすばやく強い抗議を、いたるところであげる必要がある。
posted by 三鷹天狗 at 07:55| Comment(2) | 沖縄 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
いやはや、地位協定に問題を感じながら読んでいなかった己れを恥じるばかり。フェイスブックで友人達には知らせました。
Posted by 山田孝司 at 2017年04月05日 21:50
コメントありがとうございます。
矢部宏治『日本はなぜ「基地」と「原発」を止められないのか』は、日米安保・日米地位協定が日本国憲法の上位法になっている現実を明らかにしました。http://boketen.seesaa.net/article/415124807.html
孫崎講演は、その日米地位協定すら守られていないことを指摘するもので、トホホ感はいっそう増します。ひたすらアメリカに隷従することでおのれの地位や権益を得る者たち。昔からそういう者たちのことを「売国奴」と呼んでいるように思うのですが。
Posted by 呆け天 at 2017年04月06日 08:28
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