2017年02月19日

桐朋学園芸術短大 ミュージカルコース卒業公演『ヴェローナ物語』

初体験のミュージカル。いまどきの若い者は大したもんです。

古い友人の娘さんが、ミュージカルを勉強していて、その卒業公演があるという。
それはご祝儀の意味でも行ってみなくちゃ。
はじめてミュージカルというものをナマでみるのも楽しそうだし。
2月16日(木) 13:00〜16:00、六本木俳優座劇場。桐朋学園芸術短大芸術科演劇専攻ミュージカルコース卒業公演『ヴェローナ物語』です。

意表をつくオープニングから、モリエールの「ドン・ジュアン」とシェークスピアの「ロミオとジュリエット」をこき混ぜてすすむラブ・コメディを、あっけにとられて拝見しました。途中休憩15分をはさんで2時間45分の長丁場が、ぜんぜん長く感じない。
だいたい、芝居でなにがむずかしいといって喜劇ほど難しいものはないんじゃないかな。全員20歳前後であろう若者たちが、客席をなんども沸かせる、笑わせる。驚きましたね。
劇団四季などの、プロのミュージカルを見たことのない爺さんが言っていいかわかりませんが、わたしには、カネをとってひとさまにお見せする価値がじゅうぶんにある公演と感じられました。
手造り感のあふれる衣装、簡潔だが立体感や奥行きのある舞台装置も、いかにも学生の卒業公演らしいみずみずしさがあります。音楽は、プロが舞台袖で生演奏、ミュージカル全体を支えています。

肝心の歌、おどり、芝居もみごとなものです。
狂言廻し役のスガナレル(ドン・ジュアンの従者)を演じた学生なんか、今すぐにでもどこかの劇団で働けるんじゃないかな。
主役のジュリアンとドン・ジュアン、準主役のロミオとジュリエットも、しっかりと客をひきつける熱演でした。仮面舞踏会の場面でのジュリアンの独唱、美しい声に魅了される。ロミオのコミカルなセリフ・動き・表情が、ラブ・コメディとしての明るさ・軽さをキープする役割をしっかり担って、印象に残る。
なによりすばらしかったのは、脇にまわって芝居を支えた学生たちの真摯な演技です。群舞シーンでの一糸乱れぬ踊りや歌、主役・準主役をひきたてる繊細な動き、最初から最後まで緊張した舞台を作り上げていたのはかれら脇役陣でした。同級生同士ですから、キャスティングをめぐる葛藤などもあるだろうに、それをみじんも感じさせない。彼らに、最大の拍手を送ります。
たいしたもんですね。いまどきの若者は。

日本にもこういう学科・コースがしっかり根づいているのか

誘ってくれた友人によれば、演劇系学科をもつ五つの大学の合同公演というようなものもあるらしい。桜美林、玉川、多摩美、日芸と今回の桐朋学園芸術短大の五校です。ずいぶん前から、映画・演劇関係者の書いたもののなかに、欧米とくらべて日本では演劇系の教育が軽んじられている!といった憤りがあったように思います。ばくぜんと、そうなのか良くないな、くらいに思っていましたが、2年間学んだ学生たちの成果を拝見して「そんなことないじゃないか。立派にやっているじゃないか」との想いを強くしました(公的な助成とかの話しは別として)。
戦後70年かけて、こういう学科・コースが誕生・成熟し、真剣に学んでいる若者たちがいる。立派な教育をしている短大がある。そのことを知っただけでも、価値のある一日でした。

帰りには、調布で友人と祝杯をあげました。
これからの日本の、演劇の世界をになう若者たちに、乾杯。
桐朋.png 桐朋.jpg
桐朋学園芸術短大芸術科演劇専攻ミュージカルコース公演「ヴェローナ物語」(演出:宮崎真子、作・作詞:横山由和)2月16日(木) 13:00〜16:00。六本木俳優座劇場。1500円。
posted by 三鷹天狗 at 08:47| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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