2017年01月13日

「没後20周年記念 藤沢周平展」を観る。感慨深し。

1997年(平成9年)1月26日に藤沢周平が亡くなって、はや20年。
1月12日、日本橋三越に「没後20周年記念 藤沢周平展」を観にいきました。
入り口には、出版社や作家からの蘭の花がかざられたりして、もりあげています。
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とても良く練られ、考え抜かれた展示で、堪能しました。
1、文章の一節を大きなパネルにして読ませる
藤沢周平といえば、なんといってもその端正な文体が魅力です。
作品を、武家もの、市井ものなど、描かれた対象別に大きく分類したうえで、そのなかの代表的ないくつかの作品の、きわめつけのさわりの部分数行を、大きなパネルにして見せています。
その2〜3行を読むだけで、数十年前に読んだ短篇や長編の全体像が浮かんでくる。
いやはやみごとなものです。よほど優れた編集・企画者でなければこういうことはできません。
誇るわけではありませんが、抜き書きされた数十の作品のすべてが記憶によみがえりました。ほんとうに藤沢周平の文章っていいよなあと感慨にふけりました。
2、八尾坂弘喜の写真ー海坂藩の風景
藤沢周平作品の重要な舞台「海坂(うなさか)藩」のモデルは、江戸時代の荘内藩、現在の鶴岡市です。
鶴岡在住のカメラマン八尾坂弘喜の写真は、「鶴岡市立藤沢周平記念館」カタログをかざる鶴岡周辺の風景写真にも使われていますし、藤沢作品の原風景を探るといった企画には欠かせません。
今回の展示でも、大きな写真が鶴岡の四季を映しだして、展示全体を彩っています。
3、涌井陽一の挿絵ー知らなかった
異様な迫力の挿絵が展示されており、びっくりしました。
『秘太刀馬の骨』『孤剣』などが雑誌連載されたときの、涌井陽一の挿絵で、チラシにも使われています。(チラシでは挿絵の上に藤沢愛用の万年筆が置かれています)
藤沢3.jpg
わたしは、藤沢作品はすべて単行本か文庫で読んでおり、新聞や雑誌連載時のものを読んだことがありません。単行本や文庫では、逢田やすひろの端正な絵や、村上豊の飄逸な絵が表紙の定番で、記憶では涌井の絵が使われているものはないと思います。
墨絵で、日本刀が生身の人間の体を切り裂く恐ろしい瞬間がとらえられています。そうか、雑誌連載のときはこれが挿絵だったのか。魂消ました。
4、TVで映像化された作品のダイジェストーすべて初見
会場の一画で、テレビで映像化された藤沢作品のダイジェスト版や予告編がながされており、つくづく見入ってしまいました。
映画化されたもの(『たそがれ清兵衛』『武士の一分』など)は見ていますが、テレビでドラマ化されたものはまるで見ていないんだなと知りました。
2月11日にBSフジで『三屋清左衛門残日録完結編』(主演:北王路欣也)が放映されるとか、同じ日に時代劇専門チャンネルでむかし作られた作品が再放送されるとか、うれしい告知があります。これは見逃せません。

あっという間に2時間くらいが過ぎました。
会場には年配のお客さんがたくさん入っています。
藤沢周平没後20年。こういう充実した展示会が開かれ、同好の士もたくさんいる。いい一日でした。
雑誌『サライ』2月号でも藤沢周平特集がくまれており、結構な内容です。
いろいろな形で藤沢作品を懐かしむ企画がでてくる1年になりそうで、楽しみです。

没後20年、今もわたしたちを慰め励ましてくれる藤沢作品に、献杯。
藤沢周平展.jpg藤沢2.jpg
「没後20周年記念藤沢周平展」日本橋三越本店新館7階ギャラリー、1月2日〜16日、800円。
関連:2013年06月15日、藤沢周平「三屋清左衛門残日録」http://boketen.seesaa.net/article/366446916.html
posted by 三鷹天狗 at 11:27| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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