2015年07月03日

なでしこジャパン決勝進出。強い!

変化(へんげ)しながらたたかうなでしこ。すごいね。

攻め続けるイングランド、はねかえしつづけるなでしこ。
試合の展開はそのようになった。
ロングボールを放りこみ体格差をいかしてねじ伏せようとするイングランド。
鮫島一人では相手の右サイド8番(ジル・スコット)に対応しきれないと見るや宮間と宇津木の総がかり。それでも止めきれないときには海堀がセーブ。クロスバーまで動員してしのぎきった。

そしてやってきた決定的瞬間。後半アディショナルタイム残り1分、DF熊谷から右MF川澄へのロングパスが通った。中央を見ながらドリブルで駆けあがる川澄。
もうこの時に勝敗は決しましたね。
中央になだれ込む大儀見と岩渕。大儀見の駆け込む一歩前に低くするどいパスを送る川澄。相手DFバセットは体を投げ出して大儀見の数センチ手前でこのボールをクリアする。当然です。それが彼女の仕事だから。しかしそのボールはイングランドにとっては不運なことに、日本にとっては幸運なことにクロスバーを叩いてゴールのなかにはじけとんだ。
すごい試合でした。そしてすごい試合は往々にしてこういう非情なエンディングを用意する。泣くなバセット。キミはなすべきことをした。

イングランドはカナダ戦でみせた「なでしこのコピーか」と思わせるような、前線からボールを追いまわしてたたかうスタイルを捨て、4年前にグループリーグで日本を2−0で下したときとまったく同じ戦術でいどんできた。なんでもできるチームだね。たしかにこのやり方が日本がいちばん苦手とする攻め方ではある。
しかしなでしこはすでに4年前のなでしこではない。相手がそうくれば、徹底的に守って最後の失点だけは防ぐ。相手の戦術にあわせて変化(へんげ)する。なでしこジャパン七変化!
終わってみれば、ボール支配率はなでしこ58%イングランド42%。攻めさせながら試合は支配している。
むかし読んだ将棋の米長のことばで「最高にきもちがいいのは必勝のかたちをつくりながら受けにまわっているとき」というのがあった。
延長戦をみこして交代枠二人を残しながら、がっちりと受けきって一瞬の隙を逃さない。
なんて強いんだ。

藤沢周平の短篇ふたつを思い出す

ここまで書いていたら藤沢周平の短篇ふたつを思い出しました。
両方とも、剣士が「受けの剣」で窮地を脱し、相手を倒すおはなしです。
一篇は『麦屋町昼下がり』(文春文庫)。よんどころない事情で藩の上士を切らざるを得なかった主人公片桐敬助。理不尽にも「仇」と見られ自衛のために身につけたのは「受け、しのぎきる剣」だった…。若い剣士と、まだ顔も見たことのない婚約者(いいなづけ)との淡い交情が切なさを添える、名篇です。
もうひとつは『臆病剣松風』(文春文庫『隠し剣孤影抄』所収)。藩内の騒動で、若殿の警護を仰せ付けられた瓜生新兵衛は、度はずれた臆病者ゆえに「守りきる剣」の奥義を得て、大役を全うする…。ふだん臆病な夫を軽んじるところもあった妻が、人づてに夫の活躍を知りすこし見直すといったユーモアの味付けが楽しい一篇。
ともに、剣道好きの心をくすぐる好短篇です。
囲碁でも、受けきる、しのぎきるというのはよくあること。しのぎきればそのあとにくるのは、伸びきった相手の戦線を一突きする絶好のチャンス…。

いかん、藤沢周平にひたっていい気になっている場合ではない。
決勝の相手はアメリカとなった。
呆け天は、準々決勝までのアメリカのできがいま一つだなと感じ、ドイツが決勝にくると思っていた。
しかし準決勝のアメリカ・ドイツ戦では、強いアメリカが復活しただけでなく、進化したアメリカをみせてドイツを粉砕した。アメリカ強い!

変化(へんげ)するなでしこジャパン。進化するアメリカ。
3度目の頂上決戦を制するのはどっちだ。

イングランドを破り、決勝に駒をすすめたなでしこジャパンに、敬意を表して乾杯、また乾杯。
なでしこ準決勝.jpg
posted by 三鷹天狗 at 06:12| Comment(0) | スポーツ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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