2017年06月15日

共謀罪が、参議院で強行可決された朝に

悪法が社会をしめあげていく姿をみることになるのか

6月15日の朝、ニュースは「共謀罪」=現代の治安維持法が参議院で強行可決される様子を映し出している。委員会審議を打ち切り、いきなり本会議採択という「奇策」までくりだして徹夜審議、むりやり採決に及んだ。
ここまでする執念というのは、ある意味すごい。
安倍政権のうちに、やれることはみなやるという、日本会議の戦前回帰ゾンビたち、官僚支配の中枢にいる者たちの強烈な悪意が、日本の国と社会をしびれさせつつあります。
公明党は、母体である創価学会の創立者牧口常三郎が、治安維持法違反と不敬罪容疑で検挙・投獄され、獄中死した(1944年)歴史さえ忘れて、共謀罪成立にひた走った。たぶん、戦前の治安維持法が共産党を取り締まるための法であったことのほうが、創立者の獄死よりたいせつなんでしょうね。「戦前回帰というよりは、リベラル憎しの感情」が日本会議のエネルギーという菅野完の指摘が思いおこされます。

共謀罪についてのさまざまな考察や意見のなかで、呆け天がもっとも鋭いと感じたのは、「現代ビジネス」の小笠原みどりの警告です。(2017年2月13日「共謀罪の狙いはテロ対策ではない! スノーデンの警告に耳を傾けよ 合法化される政府の国民監視 」http://gendai.ismedia.jp/articles/-/50957
米国防総省の国家安全保障局(NSA)の契約職員だったエドワード・スノーデンが告発した、NASによる全世界の監視という実体は衝撃だった。「スノーデンの警告」とは、NASと同じように、日本の政府・警察が国民のコミュニケーションすべてを監視する技術はすでにありますよ、それを合法化させるのはまずいですよ、ということです。
小笠原は「共謀罪の核心は、人々の日常のコミュニケーションが犯罪化される、という点にある。合意すること、相談すること、言葉に出すことで犯罪が成立するのだから、警察は私たちのコミュニケーションそのものを捜査対象とすることになる」と述べています。おぞましい国民監視社会が、この悪法からはじまります。
携帯電話、インターネットなどの通信をすべて監視する。そんなことできっこないでしょ、と素人が思うことが、すでに可能になっている。問題はそれを合法とするか否かです。
国連のプライバシー権に関する特別報告者ジョセフ・ケナタッチが「プライバシーを守る適当な措置を取らないまま、法案を通過させる」ことに強い懸念を表明し、安倍政権は打ち消しにおおわらわでした。
これからしばらくのあいだ、悪法が社会をしめあげていく姿を、ありありと見ることになる。日本社会には、自力でこの暴走に歯止めをかける力があるはずと信ずるしかない。

共謀罪と辺野古反基地闘争。山城博治のことばが重い。

今日6月15日、山城博治・沖縄平和運動センター議長は、スイス・ジュネーブで開かれている国連の人権理事会で演説する(6月14日付沖縄タイムス)。
さまざまな集会での発言やインタビューで、自身にかけられた「拘留5ヶ月」という弾圧は、共謀罪の先取りだと告発している。検察は、取り調べでしつように「誰と共謀したか」を問い続けたという。「特定の団体だけではなく、ゲート前で抗議している人々全員を共謀した組織集団としてくくるということだ。辺野古で起きていることが共謀罪の実態だ」という山城の指摘は、重い。
治安維持法下の日本では、「予防拘禁」があたりまえのことだった。山城への5ヶ月の拘留は、予防拘禁でもある。かくも急いで「共謀罪」を成立させたその牙は、まずは沖縄に向かっている。

戦前回帰のゾンビたちと国民監視願望の官僚たちに、多摩の片隅から70老のブーイングを。
国連人権理事会での、山城博治の奮闘に乾杯を。
共謀罪1.jpg2017.6.15朝日新聞朝刊
関連:2017年05月27日、「共謀罪」が衆議院を通過http://boketen.seesaa.net/article/450266619.html
2017年04月08日、共謀罪に反対する日本ペンクラブ…http://boketen.seesaa.net/article/448827422.html
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2017年06月13日

北欧女子オーサ、剣道を体験する

スウェーデン人が、日本でプロの漫画家として活躍する日がきた

朝日新聞土曜日beに「北欧女子オーサの日本探検」が連載されている。6月10日にはなんと剣道着姿のオーサがとびこみ面の稽古をしている写真が載っています。いいなあ。
「すり足」がいかにむずかしいか。だいたい、日本武道のナンバ歩き(右手と右足が同時に前にでる進み方)は、日本人にとってもむずかしいくらいでしょう。こうやって剣道体験をひろめてくれる熱意に感謝です。
オーサ剣道1.jpg6月10日「朝日新聞」be
連載は1年ほど前からはじまり、月に1〜2回のペースで掲載されています。食品サンプル、占い、舞妓など、いかにも北欧・スウェーデンの若い女性には珍しいに違いない場に行ったり、変わった体験をする。記事は担当記者が書き、オーサは4コママンガを一点描くというスタイルです。

この連載で初めて知ったオーサという人のマンガを読むと、じつに、日本のマンガやアニメの吸引力に驚かされます。
13歳のときに日本のアニメ「セーラームーン」に出会い、人生が変わる。スウェーデンでマンガを描きはじめ、やがて来日しデザイン専門学校に入学する。専門学校に在籍しながらブログにアップした4コママンガがすこしずつ評判になる。出版の声がかかり、2015年に発売したら大人気。あっという間に3巻まででる。2016年から朝日新聞での連載がはじまる。
北欧に生まれた少女の、とんでもない人生の変転が、日本のマンガ・アニメとの出会いからはじまった。
オーサの友だちがスウェーデンから遊びに来ると、かれらがまず行きたいのがジブリ美術館。オーサは、海外の日本アニメファンにとってのジブリ美術館は、日本人にとっての神社にあたると、分かりやすくマンガにしています。

『北欧女子オーサが見つけた日本の不思議』(1〜3巻)では、マンガの聖地・日本での暮らしのワクワク感と違和感が、いかにも若い女性の感覚で軽やかに表現されています。
第1回目の、ラフな線、手書きのふきだし文字、「てにをは」や丁寧語が微妙にあやしい、そのあやしさが魅力的な作品を、今でもオーサのブログで読むことができます。回をかさねるごとに、絵がうまくなり笑いのとりかたが上達してくるのが、古い順で読むとくっきり分かります。
ふとんは毎日畳んでしまうものであることを知らず、敷きっぱなしでかびだらけにしてしまう。障子にはつい穴をあけてしまう。相撲、寿司、寺院などの伝統文化より女子高生の制服、ポッキー、国会議事堂などにつよく惹きつけられる…。文化・文明論ではなく、手ざわり肌ざわりの日本ウオッチングが新鮮です。
日本人は、外国人の日本ウオッチングを読むのが大好きですが、本書がこれまでのものと決定的に違うのは、本人が4コママンガを描いていることです。完全に日本の4コママンガの文法・作法をふまえ、ギャグやオチがきまっています。みごとな、プロの技術です。
ついにここまできたか。これからは、きっとどんどん後続がでてくるにちがいない。

スウェーデンと日本の対比もおもしろい

オーサの日本観察もおもしろいが、日本との対比で語られるスウェーデンの話もおもしろい。
スウェーデンは日本より物価がたかい。モノにもよるが、たとえば豆腐は日本の20倍。
スウェーデンは公衆トイレが充実していない、きたない。日本は公衆トイレが多く、清潔。
スウェーデンには敬語がない。1960年代にやめた。そんなことってありうるのかね。
スウェーデンでは酒の販売に厳しい規制がある。自販機でビールが買える日本が不思議。
スウェーデン人は少なくとも8時間は眠るし、オーサは10時間寝たい。日本人が6時間くらいの睡眠で平気のようなのが不思議。これには不足分は通勤電車でおぎなっているみたい、というオチがつく。
スウェーデンからやってきたオーサのともだちのヴィーガンの話も興味深い。ベジタリアンの徹底したもの、完全菜食主義、菜食原理主義という感じのものらしい。ふーむ。

北欧女子オーサが、日本のプロのマンガ家として登場したことに敬意を表して、乾杯。
北欧女子オーサが見つけた日本の不思議 (メディアファクトリーのコミックエッセイ) -  北欧女子オーサが見つけた日本の不思議 (2) (メディアファクトリーのコミックエッセイ) -  北欧女子オーサが見つけた日本の不思議3 (メディアファクトリーのコミックエッセイ) -  
オーサ・イェークストロム『北欧女子オーサが見つけた日本の不思議』(1〜2巻)、KADOKAWA、2015年、1000円+税。『同』第3巻、2017年、1100円+税。
関連:北欧女子オーサのブログhttps://ameblo.jp/hokuoujoshi/
2017年02月09日、マイケル・ブース『限りなく完璧に近い人々』http://boketen.seesaa.net/article/446819862.html
2016年04月05日、斎藤環著『オープンダイアローグとは何か』(1http://boketen.seesaa.net/article/436223624.html
posted by 三鷹天狗 at 08:32| Comment(0) | 読書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年06月11日

散歩コースの道ばたに咲いている花

さくら、つつじ、バラ…春の主役級の花たちが退場していきました。しかし、主役のかげでひっそりと道ばたに咲く、散歩コースの野の花にも、それぞれの味わいがあります。
野の花1.jpg 野の花3.jpg 野の花63606_.jpg
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がらにもなく、聖書のあの有名な一節「栄華を極めたソロモンでさえ、この花のひとつほどにも着飾ってはいなかった」が、心に浮かびます。ほんとに自然は精妙です。

足元に咲く花なにか問いたげに 呆け天

5月中旬の早朝散歩でみかけた蝶です。なんじゃもんじゃの木の幹に、しずかに止まっています。羽化したばかりなのか、飛び立つ気配はありません。すきとおるような淡い水いろが印象的です。
蝶3.jpg 蝶1.jpg
散歩コースの脇役たちに、乾杯。

追記:この蝶の名は「オオミズアオ」といい、蛾の一種とのことです。囲碁仲間から教えてもらいました。わたしも名前を検索しようとあれこれ蝶とか蛾とか検索していたら、欧米では蝶と蛾を区別しないというようなことを書いているサイトもありました。(2017年6月21日)
posted by 三鷹天狗 at 09:19| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする