2017年05月07日

おいおいおい施行日勝手に決めるなよ(5・5朝日川柳)

「でんでん宰相」に川柳子かみつく

安倍首相は憲法記念日の5月3日、日本会議が主導する「美しい日本の憲法をつくる国民の会」の集会にビデオメッセージをよせ、現行の日本国憲法第9条に3項を加え、自衛隊を明記する「改憲」を2020年に施行したいと語った。
憲法遵守義務を負う公務員の、トップの役職についている者が、憲法を書き換える期限を切る。なんですかね、これ。おごり昂った「でんでん宰相」の暴走に対し、さっそく川柳子がかみついています。

おいおいおい施行日勝手に決めるなよ 兵庫県 妻鹿信彦(5・5朝日川柳)

5月1日には海上自衛隊が、初めて「米艦防護」の任務についた。「戦争ができる国」づくりに向かって、安倍政権の暴走は止まることをしりません。
この日の朝日川柳には、ほかにも秀逸なものがあります。

あれやこれオリンピックにかこつけて 愛媛県 藤田昭作
反対はしたかと後に問われそう    東京都 三神玲子
いつの世も強い言葉に民は酔い    静岡県 小出成行
安倍.jpg 海自.jpg

ほとんど狂犬としかいいようのないトランプが北朝鮮を軍事攻撃で威嚇し、ハリネズミのようになった金正恩が核戦争を呼号する。韓国の、朴政権退陣をめぐる政治の混乱。ほんのちょっとした偶発事態で、一気に戦争状態に突入してもおかしくありません。
そうなれば、日本世論が好戦的な方向に沸騰する可能性を感じます。
今は亡き吉村昭が繰り返し書いていたのは、戦争は日本の庶民が望んで行なったものだということでした。戦争を煽る軍部を熱狂的に支持して、ほかならぬ庶民が、滅私奉公・一億玉砕につきすすんでいった。その事実から目をそらすなと、あらゆる著作を通じて語っています。
いま、その危機が目前まできていると感じます。

落ちついて、憲法について論じていくしかない

左翼が護憲、右翼が改憲という、70年固定の図式でやってきた時代が、否応なしに終わろうとしています。
たとえば、矢部宏治『日本はなぜ「基地」と「原発」を止められないのか』は、日本人自身の手で起草した新憲法をつくり、自衛隊を憲法に位置付けたうえで、「国内に外国軍基地をおかない」と明記すればアメリカは全米軍基地(沖縄も本土も)を放棄するしかない、とあざやかに指摘しました。
「日本人自身の手で起草した新憲法」が、戦前回帰のゾンビのような連中のスローガンになってるって、まるで間違っています。
五日市憲法以来の、民衆自身の手による創憲の歴史を、現憲法の基本原理(個人の尊重、国民主権、基本的人権、平和主義)を継承しつつ、よみがえらせる。
「少なくとも安倍政権での改憲阻止」はみんなが同意できる一致点として当然のことですが、そこに止まらず、左派陣営自身が「対米従属を国民に強制する支配」から脱却する、自前の憲法に向けて議論をはじめていくしかありません。
キナ臭い時代の幕があがろうとしているときだからこそ、落ちついて、まっとうな議論を。

川柳子たちの健闘に、乾杯。

関連:2016年07月12日、改憲派が衆参両院で3分の2を超えた日にhttp://boketen.seesaa.net/article/439952958.html
2016年07月08日、菅野完『日本会議の研究』http://boketen.seesaa.net/article/439820184.html
2016年03月23日、色川大吉編著『五日市憲法草案とその…』http://boketen.seesaa.net/article/435495692.html
2015年03月10日、内田樹×白井聡『日本戦後史論』http://boketen.seesaa.net/article/415356981.html
2015年03月06日、矢部宏治『日本はなぜ「基地」と…』http://boketen.seesaa.net/article/415124807.html

追記(5月8日):安倍のふるまいについて、内田樹が面白い解説をしています。
「内田樹の研究室」2017.05.06http://blog.tatsuru.com/
安倍たちのやっていることは「会社でペコペコしているサラリーマンが家に帰って妻子を殴りつけるようなもの」という解説が、笑えるというか笑えないというか。アメリカの顔色をうかがいながら、国民には高圧的な支配、理不尽な負担を押しつける。これほど醜い政治がいつまで続くのか。現在の自民党を「国民政党ではなく、富裕層のための新国家主義政党」と定義しているのも的確です。
posted by 三鷹天狗 at 12:41| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする