2017年05月06日

春のらくご長屋「鯉昇爆笑飄々独演会」(なかの芸能小劇場)

「質屋蔵」の番頭と熊さん、本気で化け物を怖がる

落語通の友人に誘われて、なかの芸能小劇場に瀧川鯉笑独演会を聴きにいきました。招待券が手に入ったというので入場無料、かたじけない。
初めて入った「なかの芸能小劇場」、客席110、小ぶりの落語会にピッタリの大きさです。

前座(瀧川鯉佐久)につづいて、鯉昇の一席目は「佃祭」。
顔をあげてじっと客席を見わたす時間がいつもより短く、笑いがおきるまえに話しがはじまりました。
体調イマイチ、落語に詳しい人キライ、出身地浜松ネタなど、いつものマクラで笑わせます。
祭り好きの小間物屋・次郎兵衛が、3年前に助けた娘に命を救われるという、おなじみの一席。
万事心得顔で勝手に葬儀の支度をしてしまう地元世話役の、セリフや表情が、なんとも可笑しい。

中入りをはさんで「質屋蔵」。
この噺を聞くのは初めてなので、とても新鮮。笑いどころも多く、楽しい一席となりました。
質屋の主人が、町内の銭湯で自分の店の三番蔵に化け物が出るという噂を耳にする。帰って番頭に見届けるように言いつけると、番頭は秒速で「お暇をいただきます」。
この即答がおかしくて、どっと笑いがおきました。
江戸時代のひとたちの、幽霊、妖怪、化け物に対する恐怖は、現代人の感覚では決して推し量ることができない。妖怪の実在を疑っていない。あるに決まっている恐ろしいもの、理不尽なもの。ま、いまだって小説家たちはそのネタでごはんを食べています。国際的作家・村上春樹の長編はいつも「理不尽なものが襲ってくる」オハナシです。
このあとに、劇中劇のように挿入される質屋の主人の「質草に対する持ち主の執着が妖怪化する」説がまた、変に長くて可笑しい。
腕っぷしの強いのが自慢の熊五郎が呼び出され、早とちりで、バレてもいない悪行を白状するのは落語の常套手法。
その熊が、実は大のこわがりで、番頭とふたり、ふるえあがりながら蔵を見張っていると…。

本気で化け物を怖がる番頭と熊さんが、むさくるかわいいとでもいうか、笑えます。

真っ昼間から居酒屋で落語談義、お天道様には申し訳ないが、愉快です

12時半開演、3時前には終わっているというやや変則な独演会でしたが、何時に終わろうとも関係なし。開いている居酒屋に入って落語談義です。
鯉昇の最初の師匠で奇人として知られた春風亭小柳枝のこと、友人が二つ目時代の鯉昇の「大山詣り」を聴いたあと実際に伊勢原市(神奈川県)の大山に行ってみる企画に参加したはなし、あれこれの落語家を評論するいいたか放題、はなしが尽きません。
いやはや、お天道さまに申し訳がたたない、愉快なひとときです。

瀧川鯉昇「質屋蔵」の、番頭と熊さんに、乾杯。
鯉昇.jpg I鯉昇41735.jpg なかの芸術小劇場.jpg
5月1日、12:30〜、春のらくご長屋「鯉昇爆笑飄々独演会」、なかの芸能小劇場
関連:2015年03月18日、瀧川鯉昇独演会http://boketen.seesaa.net/article/415811534.html
posted by 三鷹天狗 at 06:55| Comment(0) | 落語 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする