2017年12月12日

神代植物公園ウインターコンサート

「もしも彼女が尋ねたら」というすばらしい曲に出会う

新春、桜、春秋のバラなど、いろんな季節に屋外コンサートをおこなう神代植物公園。初の試みとして、大温室で冬の室内コンサートが開かれました。
この寒い時期には、やはり室内がいいですね。
「アスール」(スペイン語で「青」)というユニット。小川和隆のクラシックギター(10弦ギター)、aoi(現役音大生)のボーカルで「スカボローフェア」「枯葉」など親しみやすい名曲を奏でました。50人ほどの聴衆が、ガラス越しにふりそそぐ陽光を浴びながら、穏やかなひとときを過ごす、結構なコンサートでした。
冬コンサート20171209.jpg 冬コン20171209.jpg
途中、小川がギターソロを聞かせたのですが、そのうちの一曲「もしも彼女が尋ねたら」がすばらしかった。ブラジルの曲だそうで、「もし彼女がオレのことを尋ねたら、まあ元気でやってると伝えてくれ(ホントは元気じゃないけど)」という、日本でいえば「ジョニーへの伝言」の男女をひっくり返したような、恋の悔恨のような歌らしい。
繰り返し奏でられる、哀調をおびた主旋律が、胸に沁みます。
帰ってからYouTubeを検索したら、何人かのギタリストの映像がアップされています。
https://www.youtube.com/watch?v=kvmALkIf-Yc
ブラジルといえばむかしポルトガルの植民地ですから、「ファド」に通底する、哀調・哀愁が好まれるんでしょうか。

冬のひととき、すばらしい一曲にめぐり合わせてくれたウインターコンサートに、乾杯。
冬コン1.jpg
神代植物公園2017ウインターコンサートin大温室 12月9日(土)11:00〜、大温室内展示・休憩室。
いま大温室では、さまざまな蓮の華がさいています。
posted by 三鷹天狗 at 08:58| Comment(0) | 日記 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年12月10日

藤田祥平『日本が中国に完敗した今、26歳の私が全てのオッサンに言いたいこと』

そうか、これが26歳「失われた世代の寵児」の実感か

宋文洲のメルマガ配信を受けて愛読しています。
同意できることも、小首をかしげることもありますが、宋のオリジナリティあふれる言論には刺激をうけます。
12月8日配信の「戦略とはどう勝つかではない」(論長論短 No.309)では、中国のシルクロード経済圏構想(一帯一路)と日本との関係が論じられています。

ここで紹介されている藤田祥平『日本が中国に完敗した今、26歳の私が全てのオッサンに言いたいこと 』(Webマガジン「現代ビジネス」12月2日掲載)という一文が、なんともはや傑作です。http://gendai.ismedia.jp/articles/-/53545
仕事で、中国の「ヴァーチャル・リアリティ市場」を取材するために深セン(広東省)を訪れた藤田は「負けた!」と実感します。活気に溢れた街、行き交う人々、取材する若い企業人たちの乱暴と思えるほど素早い決断…「これが高度経済成長というものか」と実感する若者の驚愕が、なまなましく伝わってきます。
藤田は自分のことを「バブル崩壊の暗雲立ちこめる1991年に生まれた、失われた世代の寵児」と規定する。いたいたしいまでに自虐的な自己描写です。
中国の経済発展をまのあたりにして、「おれたちを先の見えない国内戦で消耗させるのをやめろ。おれたちをビジネスの『鉄砲玉』として中国に送れ」と叫びます。中国に(経済的に)完敗したことを認め「中国とも独自の協調路線を取れ。読み終わった英語の教本を売り、中国語の教本を買え」と訴えます。
なるほどなあ。
感触は『「丸山眞男」をひっぱたきたい--31歳、フリーター。希望は、戦争。』(赤木智弘、2007年)に似ているともいえます。しかし、赤木の主張に充満する救いのなさを、突き抜けていく明るさが藤田の文章にはあります。
藤田は「経営者、権力者、決定権をもつオッサン」たちに訴えているわけで、無力なリタイア・オッサンにおもしろがられても屁のつっぱりにもならないでしょうが、「いいね!」1クリック、ざぶとん一枚。26歳といえば人生これから。紆余曲折がまっているだろう藤田青年の未来に幸あれ。

宋文洲は、藤田のレポートを興味深いと紹介しつつ、「中国に勝つか負けるか」という問題の立て方をする「日本の病理」を指摘しています。
そういう感覚は「中国人から見ると実に一方的な勝手な話です。日本の十倍の人口と25倍の国土と、日本に文化を伝授した国にライバル心を燃やしてどうするのでしょうか。そんな時間を日本自身の問題解決や国家ビジョン作りに使うべきではないかと思うのです。」と、言い放ちます。
これ、宋ブログにまとわりついて「中国共産党の手先」とか「日本の悪口言いたいんなら中国帰れ」とか、毎号毎回飽きもせずに書き募るネトウヨ爺さんたちを挑発した感じです。ふだんはなかなかここまでは言わない。26歳藤田の、「中国に完敗してる」というレポートで、宋の筆も走ったようです。

それはともかく、宋の「戦略とはどう勝つかではない。どう生きるかです」ということばには、耳を傾けるべきでしょう。「反中従米」右翼が支配する日本に対して、実はいちばんまともな忠言をしているのが宋ではないかと感じます。徹底的に「商人」としての立ち位置からの発言ではありますが。

関連:宋文洲メルマガの読者の広場http://www.soubunshu.com/
2016年02月23日、宋文洲による安倍政権の三カ年総括。http://boketen.seesaa.net/article/434165575.html
2015年08月25日、むのたけじ100歳、石原慎太郎に吠えるhttp://boketen.seesaa.net/article/424712773.html
posted by 三鷹天狗 at 10:22| Comment(0) | 読書 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2017年12月08日

井山裕太、世界最強の中国・柯潔を破りLG杯棋王戦決勝進出

高尾紳路(前名人)の観戦記に、強烈なことばが…

井山裕太・七冠(28)は11月15日「第22回LG杯棋王戦」準決勝で、現在世界最強といわれる中国の柯潔(かけつ)九段(20)を倒し、来年2月の決勝戦で中国の謝爾豪(しゃじごう)五段(19)と対戦することになった。
快挙です。ぜひ、決勝でも勝ってほしい。
井山写真.pngアタマを抱える柯潔(左)勝利した井山(右)
もはや日本は、世界戦の決勝まで勝ち進むこと自体が「事件」として報じられるほど中国・韓国に差をつけられています。
井山に「再七冠」をゆるした高尾紳路前名人(41)は「たかお日記」という、とてもいいブログをやっています。とうぜん井山・柯潔戦の観戦記もポイント解説付きでとりあげられており、囲碁ファン必見ですが、観戦記の最後に、つぎのようなことばがあります。
「現状、世界トップクラスの棋士は韓国で5人ほど、中国は20人はいます。日本は現状、井山七冠だけなので、優勝するのは、かなり大変。」
囲碁観戦記者とかアマチュアのことばではなく、つい先日井山と名人戦7番勝負を争った高尾のことばですから、迫力がちがいます。
そうか、そこまでいうか。
世界のトップクラスは韓国5人、中国20人で、日本は井山一人しか入らないのか。

しかも柯潔20歳、謝爾豪19歳。いわば少年のような若さです。
高尾たち「平成四天王」といわれた棋士たちより二回りちかく若い。老囲碁ファンとしては、高尾や山下敬吾(39)が、シブい技で柯潔に碁の奥深さを教えてあげるの図、なんてのを夢想したりしますが、そゆことはもうありえないわけだ。
日本でも最近、一力遼(20)、芝野虎丸(18)という若手がトッププロの仲間入りを果たしています。一力や芝野が、柯潔や謝爾豪と互角にたたかい、ヨーロッパやアメリカ大陸からも彗星のごとく天才が現われる、そんな日がきてほしいなあ。

囲碁は、世界をつなぐ「手談」

囲碁はシンプルなゲームだからこそ、やすやすと国境や言葉・文化のカベを超えられる。現に呆け天は日本棋院幽玄の間で、韓国・中国・台湾の人たちとも、気軽にネット対局を楽しんでいます。
囲碁の別名を「手談」といい、勝敗を争うだけではなく、対局相手との、着手を通じた対話を楽しむゲームだと、むかしから言われています。性別、年齢、人種、国籍…そういうものを超えて世界中の人と対話を楽しむ。日本語しかできない老人と世界をつないでくれるゲームです。
世界に囲碁愛好家が何人いるかは知りませんが、その頂点「世界最強のひとり」に、井山裕太も割り込んでくれたのは、やはりうれしい。

井山裕太七冠のLG杯棋王戦決勝進出に、乾杯。
posted by 三鷹天狗 at 10:45| Comment(0) | 囲碁 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする